01.Cell TherapyからCell-free Therapyへ
幹細胞研究が進むにつれて、組織修復に関わる作用の一部は、移植された幹細胞そのものだけではなく、幹細胞から分泌されるさまざまな生理活性物質による細胞間コミュニケーションによってもたらされることが分かってきました。
その重要な担い手の一つが、細胞外小胞・エクソソームです。
Cell-free Therapyは、生きた細胞そのものを投与する治療とは異なり、細胞が分泌する物質を利用するという新しい再生医療のアプローチです。
再生医療は、失われたものを単に補うだけではなく、細胞や組織が本来持っている修復・再生の仕組みに働きかける医療として研究が進められています。
従来は幹細胞そのものを投与する「Cell Therapy(細胞治療)」が中心でしたが、近年では、幹細胞が分泌する細胞外小胞(Extracellular Vesicles:EV)やエクソソームなどを利用するCell-free Therapy(細胞を用いない治療)も研究されています。
RE.CELL福岡では、生殖医療で培ってきた知見と臨床研究を背景に、こうした新しい再生医療に取り組んでいます。
幹細胞研究が進むにつれて、組織修復に関わる作用の一部は、移植された幹細胞そのものだけではなく、幹細胞から分泌されるさまざまな生理活性物質による細胞間コミュニケーションによってもたらされることが分かってきました。
その重要な担い手の一つが、細胞外小胞・エクソソームです。
Cell-free Therapyは、生きた細胞そのものを投与する治療とは異なり、細胞が分泌する物質を利用するという新しい再生医療のアプローチです。
細胞から細胞へ情報を届ける「メッセージ」
エクソソームは、細胞から分泌される非常に小さな細胞外小胞の一種です。
内部にはタンパク質、脂質、核酸などさまざまな物質が含まれ、細胞から別の細胞へ情報を伝達する役割を担っています。
つまり、単に何かを「補充する」のではなく、
細胞と細胞のコミュニケーションに着目する。
これが、RE.CELL福岡が考える再生医療の重要な視点です。
RE.CELL福岡では、臍帯の幹細胞由来の細胞外小胞・エクソソームに着目しています。再生能力がとても高いことがわかっています。
私たちはこれまで、生殖医療の現場から、加齢などによって機能が低下した卵巣に対して、臍帯の幹細胞由来EVを用いる臨床研究に取り組んできました。
単に美容目的でエクソソームを導入したのではありません。
低下した細胞・組織の機能に、再生医療から何ができるのか
という生殖医療での問いから始まった取り組みです。
卵巣刺激への反応が低下した女性18名を対象として、臍帯の幹細胞由来EVを卵巣へ局所投与する臨床研究を行いました。
安全性を主要評価項目とし、AMHや胞状卵胞数などの卵巣予備能、さらに受精後の胚発育などについて投与前後で評価しました。
研究では、
| 項目名 | 症例数 |
|---|---|
| 卵巣予備能の改善 | 9/18例 |
| 卵質に関連する指標の改善 | 9/18例 |
| いずれかの改善 | 13/18例 |
| 妊娠に至った症例 | 7/18例 |
という結果が得られました。
ただし、これは18例を対象とした予備的な臨床研究であり、エクソソーム投与によって妊娠率や出生率が改善することが確立されたわけではありません。
したがってRE.CELL福岡では、研究結果を過大に表現するのではなく、新しい再生医療の可能性を示す臨床研究として位置づけています。
この研究を背景として、
卵巣予備能改善を目的とした幹細胞由来エクソソームに関する特許第7801702号「医薬組成物」を取得しています。
RE.CELL福岡では、こうした研究背景をもとに、ジュベネイト エクソソームを用いたCell-free Therapyを展開します。
細胞そのものを投与するのではなく、細胞間コミュニケーションに着目し、身体本来の修復・恒常性維持の仕組みにアプローチするCell-free Therapyです。
現在色々な生活習慣病に応用できないか全世界で臨床研究が始まっています。
RE.CELL福岡の再生医療は、美容から始まったものではありません。
長年向き合ってきた生殖医療のなかで、加齢とともに低下する卵巣機能に対して何ができるのか。その問いから、臍帯の幹細胞由来EV・エクソソームの臨床研究に取り組んできました。
その研究を、卵巣だけではなく、加齢に伴って変化していく身体全体へ。
生殖医療から再生医療へ。
そして、これからのロンジェビティ医療へ。
それがRE.CELL福岡のREGENERATEです。
iPS細胞を投与するのではなく、「細胞がつくり出すもの」を活かす
再生医療というと、幹細胞やiPS細胞そのものを体内に投与する治療をイメージされるかもしれません。
しかし現在、再生医療研究では、細胞そのものだけでなく、細胞が周囲に分泌するさまざまな生理活性物質にも注目が集まっています。
これは、前にご紹介したエクソソームと共通するCell-free Therapy(細胞を用いないアプローチ)という考え方です。
iPS細胞を培養すると、培養液中には細胞から分泌されたさまざまな物質が放出されます。
細胞を培養した後、細胞そのものを取り除き、分泌された成分を含む上清部分を回収したものが「iPS細胞培養上清」です。
したがって、iPS細胞培養上清はiPS細胞そのものではありません。
成長因子、サイトカイン、細胞外小胞など、細胞が周囲へ送り出した多様な成分を含むことが特徴です。
エクソソームは、細胞が分泌する細胞外小胞の一部に着目したものです。一方、培養上清は、エクソソームなどの細胞外小胞だけではなく、培養中に細胞から分泌されたさまざまな可溶性因子を含む、より広い概念です。
つまり、
エクソソーム=細胞から届けられる「メッセージの小包」に着目
培養上清=細胞が周囲につくり出した「環境全体」に着目
と説明すると非常に分かりやすいと思います。
iPS細胞は高い増殖能と多分化能を持つ一方、その取り扱いには高度な品質管理が必要です。
だからこそRE.CELL福岡では、単に「iPS」という名称だけで製剤を選ぶのではなく、
という由来・製造工程・品質管理を重視します。
RE.CELL福岡が考えるCell-free Therapyには、二つのアプローチがあります。
臍帯の幹細胞由来EV・エクソソームでは、細胞間の情報伝達に着目する。
iPS細胞培養上清では、細胞がつくり出す多様な分泌因子を含む環境に着目する。
アプローチは異なりますが、共通する考え方は、
細胞そのものを投与するのではなく、細胞が持つ機能や、細胞から生み出される物質を医療に活かす。
というCell-free Therapyです。